コンビニの24時間営業が問題になっています。持続可能でないモデルは、いずれ限界がくるのではないでしょうか。こうした中、ローソンは、夜間営業の無人化の実験を開始すると発表しまた。決済をはじめ、個人認証、セキュリティ、バックヤードに至るまで、今後ハイテクがコンビニ業界を大きく変えていくことが予想されます。
コンビニ業界に限りませんが、外部環境が大きく変わるタイミングで、スピーディに対応する企業のあり方、選択と集中、経営資源の再配分は、企業経営にとって最も重要なマターです。ハイテク企業にとっての最も重要な経営資源である、開発リソース(開発者)。今回は、情報分析から見える、開発リソースについてご紹介したいと思います。
ゲームチェンジへの備えは万全か?
これは、コンビニ業界に近い、大手電機メーカーX社の開発者ネットワーク図です。過去10年の技術情報をもとに、1つのネットワーク図にしています。これを見ると、X社の開発リソースは、自販機、半導体製造、センサー、発電システム、貨幣処理装置、磁気記録媒体などの5~6分野を柱にしています。
時間軸を長くとることで、自社の経営資源を抽象化し、大きく捉えることができます。これによって、外部環境の大きな変化、あるいはゲームチェンジへの備えについて、大きな視野で検討することができます。
新規事業の起点をどこに置くか?
次に、次世代の成長の柱について考えてみます。自社の強みを起点にして、その上に新しいものを積み上げるのが原則でしょう。では起点をどこに置くかということです。以下は、X社のセンサー領域だけをスコープしたものです。X社のセンサー技術は、様々な製造処理やシステム、測定、計測などに応用されています。この領域は、X社の柱であるだけでなく、様々な応用展開が期待できる領域とも言えます。つまり、新規事業の起点として考えることができる領域です。
例えばこのような領域へ開発リソースを再配分し、ゲームチェンジに備えるというこです。ここで重要なのは、現行事業が収益を上げているうちに、この検討を行うということです。負けが決定的になってからでは遅いということです。したがって経営者は、未来を先読みする能力・手段を持ち、必要な先手を打たなければなりません。
真の情報は顧客が持っている
未来を読むには、情報は多いほど有利です。ここで少し視点を変えてみましょう。X社を将来的な「顧客」として捉えた場合はどうでしょうか。上記のように大きく捉えるというよりは、時間軸を絞って、より細かく見ていく必要があります。
これは、X社10年分のデータから、1年分を切り出したスナップショットです。この期間の開発体制、チーム構成を細かく見ることができます。開発の内容、チームの規模、中心人物を特定できます。中心人物あるいはその周辺人物を特定できれば、実際に何らかの方法でアプローチをして、開発段階の情報にアクセスできるかもしれません。開発の上流を狙うことが重要です。
メディアには、様々な開発情報がプレスリリースされます。しかしながら、その取り組みが本気なのか、あるいは宣伝なのか、外部からはなかなか判断できません。上記のような分析をすると、ある程度、その情報の裏を取ることができます。「次世代MacBook、ガラスキーボードか?」を参照。
変化に翻弄されず、未来を見据え、ゲームチェンジに備える。経営資源の再配分について、企業を構成する「人」の切り口から考えてみました。
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