外部環境分析を素早く効率的に行う方法【事業戦略のフレームワーク】

事業戦略の立案では、その事業を取り巻く外部環境の把握をまず求められるでしょう。外部環境分析は、情報収集力がカギとなりますが、様々な情報ソースから適切な情報を選別し、その輪郭を明らかにしていく作業は、とても骨の折れる作業です。そこで今回は、外部環境分析を素早く効率的に行う方法について考えてみたいと思います。

外部環境分析を素早く効率的に行う方法

外部環境分析を素早く効率的に行うには、ニュースサイトの活用をおすすめします。例えば、Googleのニュース検索を使う方法です。また、検索の方法ですが、外部環境分析の定番であるPEST(政治、経済、社会、技術)の切り口で検索式をつくることです。仮にあなたが、化粧品の商品開発の担当者としましょう。例えば、以下のようなイメージです。

政治の切り口(P):スキンケア (法律 OR 規制 OR 条例 OR 政策)
経済の切り口(E):スキンケア (参入 OR 流通 OR 提携 OR 買収 OR 業界)
社会の切り口(S):スキンケア (ニーズ OR 意識 OR 社会 OR コミュニティ OR サークル)
技術の切り口(T):スキンケア (技術 OR 開発 OR イノベーション)

このような検索式の場合、ふつうのGoogle検索では、単なる解説サイトまでヒットしてしまいます。基本的な解説であれば、対象テーマに関する書籍やレポートを参照した方がよほど効率的です。一方、Googleのニュース検索では、ニュース性のある出来事のみがヒットし、解説サイトはほぼヒットしないというメリットがあります。これによって、今後の変化を示唆する情報のみを対象にできますので、外部環境分析に適した情報ソースとして使えます。

もちろん、情報ソースが多いに越したことはありません。関連書籍、論文、政府発行のレポートなど、必要に応じ参照すべきでしょう。また、一次情報として、専門家へヒアリングすることもあるかと思います。しかしながら、スピードが最優先のビジネス環境において、十分に時間が取れない場合も多いかと思います。そのような場合には、今回のように、検索エンジンの特性を生かしつつフレームワークに従ったやり方が効率的です。

未来を動かすドライビングフォースを特定する

情報ソース(分析対象)が明確になったら、PESTそれぞれについて、特徴的なキーワードを押さえて下さい。そのキーワードが、未来を動かすドライビングフォースを示しているかもしれません。

例えば以下の例では、スキンケアにおける経済の切り口から、キーワードを取り出したものです。これによると「男性向け」に動きがあるようです。「ラインナップ」の充実も示唆されており、多様化するニーズへの対応を急いでいるのかもしれません。

さらに見ていきましょう。以下は、取り出したキーワードのネットワーク図です。同時に出現するキーワードどうしをつないで可視化しています。スキンケアにおける経済の切り口では、例えば、男性向け、資生堂、中国市場、・・のようなドライビングフォースがありそうです。

ここで、明らかになったドライビングフォースのうち、どれが自社にとってインパクトが大きいかを考えて下さい。さらに、インパクトの大きいもののうち、不確実性の高いものは何でしょう?インパクトと不確実性の度合いで、ドライビングフォースを1つ2つに絞り込んでおくことで、今後触れる情報に対する感度が格段に上がります。また、ドライビングフォースが絞り込まれていると、次のアクションにつながりやすく、外部環境分析が実践的な意味を持ってきます。

情報収集には終わりがない

いかがでしたでしょうか。情報収集には終わりがありません。継続的に行っていく必要があります。変化が現実のものとなった先には、また新たな展開(不確実性)が待っているからです。情報収集ばかりやってられないよ、ということもあるでしょう。しかしながら、戦略とは「決める」ことです。決めるためには、不確実性がどこにあるかを知る必要があります。情報収集なしでは不確実性を見極められないのです。情報収集は終わらない、だからこそ、いかに広く漏れなく効率的に収集するかの能力は、企業に求められる重要な能力の一つではないでしょうか。

今回の分析は、情報分析ツール「Quark Apps」を使っています。ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。丁寧にご説明させていただきます。お問い合わせ