情報分析は、当たり前ですが、存在する情報(表に出ている情報)を整理するための方法です。情報分析によって、すごいアイデアが出てくるとか、顧客しか知りえない情報がわかるとか、そういうことを期待するのは難しいわけです。
しかし、そこへたどり着くための近道なら、なんとかなるかもしれません。例えば、あなたの取引先の担当者は、重要な情報を引き出すために妥当な人物でしょうか? 今回は、人物ネットワークの分析にも使える、オープンソースのExcelテンプレート「NodeXL」を使って解説していきます。
ネットワーク分析の準備
まずはNodeXLのサイトへアクセスします。
ここでは、NodeXLに関する様々な情報が共有されてますので、興味のある方は深掘りしてみてください。
ダウンロードは、上部メニューのNodeLX>Get NodeXL!へ移動します。
ここで、右端にあるBasicが無料のバージョンになります。Basicでも、使い切れないほどの機能がありますので、まずは十分だと思います。これをダウンロードします。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストールします。指示通りに進んで結構ですが、特に企業内で導入する場合には、うまく行かないケースがあります。まず、お使いのPCにMicrosoftのVisual Studioが無い場合は、これをインストールするかを聞いてきます。社内的に問題なければ、Acceptしてください。
次に、大体ここでつまづくのですが、インストール途中でエラーが出てしまう場合があります。セキュリティの厳しい企業でよく起こります。これは、信頼済サイトとしてNodeXLサイトを登録することで解決します。具体的には、コントロールパネル>ネットワークとインターネット>インターネットオプションにて、セキュリティ>信頼済みサイト>サイトに、以下URLを追加してください。
http://*.nodexlgraphgallery.org
https://*.nodexlgraphgallery.org
https://www.nodexlgraphgallery.org
こちらにも説明がありますので、必要に応じ参照してください。
NodeXLの超基本
インストールに成功すると、スタートメニューに「NodeXL Excel Template」が出てきます。これを起動してください。
起動したら、簡単なネットワーク図を作ってみましょう。
EdgesシートのVertex1とVertex2に、以下のようにA,B,C,Dを入力してください。右側のRefresh Graphをクリックするとネットワーク図が出てきます。これが、A,B,C,Dのつながりを可視化した図です。
次に、Verticesシートへ移動すると、A,B,C,Dが自動的に入力されています。ここで、例えば他者とつながりの多い者を大きく表示してみます。Sizeのところに、Aのサイズを100、他を10にして入力します。右側のRefresh Graphをクリックすると、Aのサイズが大きくなっていることが分かります。
人物ネットワークへ応用する
ここまでの処理を、人物ネットワークへ応用するとはどういうことでしょうか。例えば以下は、Google Scholarで「拡張現実」に関する最近の日本の論文を検索した結果です。一番上「拡張現実感を用いた・・」のタイトルの下に著者情報があります。鳴海拓志氏、鈴木瑛二氏、櫻井翔氏、谷川智洋氏の4人です。これをつながりとして表すと、以下のようになります。
鳴海拓志氏と鈴木瑛二氏
鳴海拓志氏と櫻井翔氏
鳴海拓志氏と谷川智洋氏
これは、先ほどのA,B,C,Dと同じです。つまり、NodeXLへそのまま入力できる情報です。これを、すべての検索結果について処理すると、「拡張現実」に関する最近の日本の研究者のつながり、人物ネットワークが作れるわけです。
以上は、外国の論文でも同様です。また、外国特許を情報ソースにすれば、世界中の企業内部の人物ネットワークを知ることができます。人のつながりが分かれば、キーパーソンを特定できます。キーパーソンを特定すれば、重要な情報へたどり着く近道にはなりませんか?
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。丁寧にご説明させていただきます。お問い合わせ