先日、「ツイートをExcelに取り込む方法」についてご紹介しました。
今回は、取り込んだデータから、具体的にどのようなことが分析できるのか、一例をご紹介いたします。
SNSのデータ分析方法
twitterの分析ですと、ユーザーどうしの繋がりを可視化して、オピニオンリーダーを特定するような分析が有名です。ただし今回は、せっかく各ユーザーのツイート(つぶやき)まで取り込んでますので、こちらを分析していきましょう。
ツイートは、そのままでは分析できませんので、キーワードを抽出し、これを分析します。キーワードを抽出するには、テキストマイニングが必要になりますが、Excelには搭載されていませんので、何らかのテキストマイニングツールを併用してください。
今回は、弊社Quark Appsの日本語テキストマイニング機能を使います。Quark Appsでは、Excelから直接実行できますので、取り込んだデータからすぐにキーワードを抽出できます。
顧客ニーズを把握する
住宅設備メーカーX社についてのつぶやき約200件について、テキストマイニングによりキーワードを抽出して分析しました。
まずこちらはキーワードの頻度解析です。
玄関用の自動ドア(商品名:XXX)に関するワードが目立ちます。X社の直近の注目商品は、この自動ドアだと分かります。
次に、キーワードどうしの繋がり(共起)を見てみましょう。
意味のある塊ごとに仕切りをしています。玄関・自動ドアの話題の他、医療関係者を中心とした話題、トイレを中心とした話題などの塊が分かります。
ここで、医療関係者をもう少し詳しく見てみましょう。医療関係者とX社あるいは住宅設備にどのような関係があるのでしょうか。どうやら、玄関自動ドアの商品名XXXが、ある薬の名前と全く同じだということです。
具体的なツイートがこちらです。念の為、商品名などはモザイクをかけています。このツイートを見ると、商品名に対してネガティブにコメントしています。今後のマーケティング戦略について、検討が必要かもしれません。なにか商品開発につながることを期待しましたが、意外にも、商品名に関する気付きでした。
検索エンジンの限界
いかがでしたでしょうか。検索エンジンの情報量は膨大になり、利便性は向上しました。どんなことでも調べられるように思いますが、(あなたが)知らないことは調べられません。これが検索エンジンの限界で、(検索者が)知らないことは検索のしようがないのです。
顧客ニーズはまさにそれで、全く思いも寄らない(視界にない)、顧客ニーズは調べようがないのです。だから今でも、展示会や対面営業は貴重なのだと思います。しかしながら、新型コロナの影響で、こうした活動に制限が生じたとき、これに代わる手段を持つことは、経営課題のひとつでしょう。
個人が日々情報を発信するようになったいま、SNSのデータ分析を顧客ニーズを知るための手段のひとつとして検討されてはいかがでしょうか。
今回の分析は、情報分析ツール「Quark Apps」を使っています。Quark Appsは、情報の自動収集、前処理、ビジュアル化、機械学習(AI)をExcelから操作できるようにした、Quarkオリジナルのパッケージです。