つい先日、Googleが世界ではじめて、量子コンピュータで「量子超越性」を実証したと発表しました。
Quantum supremacy using a programmable superconducting processor
しかしながらその後、同じく量子コンピュータを開発している米IBMが真っ向から否定しています。
https://www.ibm.com/blogs/research/2019/10/on-quantum-supremacy/
仮想通貨やブロックチェーンの危機であるという見方がでるなど、既存技術に及ぼすインパクトははかり知れず、国際競走の激化が予想されます。そこで、現時点において、どのようなプレーヤーがどのくらいの投資をしているか、簡易分析してみましたのでご紹介します。
もっともリソースを割いている企業は?
GoogleでもIBMでもなく、Intelでした。
量子コンピュータに関する、2010年以降の米国の技術文献を情報ソースとし、各企業ごとの研究者の数をカウントしました。意外にも、各社とも人数はあまり多くなく、1位のIntelは44人、2位はD-Wave systemsの43人、3位にIBMの40人、Googleは8位でわずか14人でした。実際のところは分かりませんが、少なくとも同じ土俵で比較したところ、Googleだけが特別大きな動きをしているようには見えません。
IBMにおけるキーパーソンは?
研究者のつながりを見てみました。チームが形成されているように見える企業は30人以上のリソースを割いている上位5社。Googleはやはり小さなチームに見えます。
IBMの研究チームを拡大すると、Jay M. Gambetta氏であることが分かります。この人物は、冒頭の同社の反論記事にも名前が記載されており、キーパーソンと考えて間違いないでしょう。
https://en.wikipedia.org/wiki/Jay_Gambetta
まだ始まりに過ぎない
情報ソースを変えてみる必要はありますが、全体的に研究者の数がまだ少ない印象です。公開されている情報自体が少ないのかもしれません。いずれにせよ、静かに、しかし確実に研究は進められているようです。今後、日本企業がランクインしてくることを期待します。
今回の分析は、情報分析ツール「Quark Apps」を使っています。ご不明な点がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。お問い合わせ