製品単体ではなかなか利益が出なくなっています。こうした中、開発はもちろん、営業でもマーケティングでも、戦略的な検討はますます重要になっています。関係者全員が、戦略的思考を求められています。そうなれば、競合他社や顧客企業について、できるだけ多くの情報を集めたいと思うでしょう。有料のサービスをお使いの担当者も多いかと思います。質の高い情報ほど高額であり、頭の痛い問題です。そこで今回は、質の高い企業情報を無料で収集できるツールについて、ご紹介したいと思います。
企業情報を無料で収集できる最強ツール
企業情報を無料で収集できる最強ツールとして、PATENTSCOPEをご紹介します。PATENTSCOPE は WIPO(国際IP団体)が提供する技術データベース検索サービスです。合計 7621 万件におよぶ技術文献の検索が可能です。技術文献ではありますが、開発元である企業名、開発担当者の実名が、開発内容・時期などの情報とともに入手できます。世界中の企業情報です。PATENTSCOPEがすごいのは、検索した結果のリスト(Excelファイル)、なんと最大１万件を一気に無料でダウンロードできるのです。
使い方とポイント
使い方について、ポイントだけご紹介していきましょう。
まず利用するには、ユーザ登録が必要になりますので、これを済ませてログインしてください。ログイン後、まず最初に環境設定をします。右上のオプションから、いくつかのタブがありますが、それぞれ、目的に合わせてチェックを入れ、保存ボタンを押して設定を保存して下さい。ここで注意していただきたいのは、結果表示タブのDownload Fieldsです。ここでは、ダウンロードする項目を指定できますので、全てにチェックを入れましょう。
設定ができましたら、実際にダウンロードしてみましょう。
検索フィールドに検索文字を入れて検索します。ここでは「自動運転」で検索しています。右上に”10k”というアイコンがあります。このアイコンをクリックすると、最大で１万件のExcelファイルをダウンロードできます。ダウンロードは数秒です。非常に高速です。(尚、safariには対応していないようです、macの方はchrome等をお使い下さい)
Excelファイルを開いてみましょう。
自動運転に関する企業の開発情報がリストされています。おおよその時期、開発の背景、企業名(共同開発の有無)、開発者の実名がわかります。これらを無料で１万件、わずかな操作で誰もが入手できるのです。Excelファイルですので、加工や分析も簡単です。いい時代になりました。
情報ソースの一つとしてもっと活用を
戦略を検討するには多角的な情報ソースが重要です。その一つとして、企業が公表している質の高い情報ソースである、技術文献。知財部門だけのものにしておくのはもったいない話です。早い安いうまい、牛丼ではないですが、そのくらい手軽になりました。企業の戦略に携わるすべての皆様に活用していただきたいものです。
ダウンロードしたデータは、情報分析ツール「Quark Apps」を使って様々に分析・視覚化できます。ご紹介させていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。お問い合わせ